家族全員の衣類や持ち物が収納できるファミリークローゼット、通称ファミクロ。
最近はほとんどの家庭が採用するなど大変人気の間取りです。
「新しい家にはファミリークローゼットを作りたい!」と思っていませんか?
しかし
- どのくらいの広さが必要なの?
- 住み始めてから間取りに後悔しない?
- デメリットもきちんと知りたい…
という疑問や不安を持っていませんか?
そこで本記事ではファミリークローゼットの後悔しないポイントやおすすめの間取りについて、専門家の立場から解説します。
- ファミリークローゼットのメリット・デメリット
- ファミリークローゼットの広さや寸法は?
- ファミリークローゼットで後悔しないポイントや成功させるには?
- ファミリークローゼットにおすすめの間取り
これらの内容を解説していきます。
本記事を読むことで、失敗しないファミリークローゼットの間取りが作れます。
ぜひ確認してください。
ファミリークローゼットのメリットは?
様々な使い方のできるファミリークローゼット。
まずは具体的なメリットを紹介します。
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家事動線が短いことで家事が時短に
家族全員の服がまとめて収納できるため、取り込んだ洗濯物を各部屋に運ぶ手間が無くなります。
これによって家事動線が圧倒的に短くなり、毎日の家事の時間の短縮につながるのです。
部屋が散らかりにくい
ファミリークローゼットがあれば、各自の服や荷物類の収納場所が一ヶ所に集約できます。
そのため、上着やバッグが置きっぱなし…という状況が避けられ、リビングや各部屋が散らかりにくくなります。
細かな日用品、季節ものも収納しやすい
ファミリークローゼットはある程度まとまった広さが確保できます。
そのため一部を日用品や季節ものの収納スペースとしても利用できます。
洗濯・掃除グッズなど、見える所に置くと散らかって見える細々としたものを収納するのにも向いています。
ファミリークローゼットのデメリットは?
メリットの大きいファミリークローゼットですが、デメリットも確認しておきましょう。
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まとまったスペースが必要になる
家族全員分の衣類をしまうとなると、ある程度のまとまったスペースが必要になります。
無理にファミリークローゼットを作ると、その分リビングや個室が狭くなるなどの弊害が出てしまいます。
朝は家族で渋滞する可能性がある
家族の出勤や登校の時間が重なる場合、着替えの時間も重なることになります。
そうなるとファミリークローゼットは渋滞し、家族がひしめき合いながら使うことになってしまいます。
子供が大きくなると不要になる可能性がある
特にファミリークローゼットの中で着替えもする間取りにした場合、思春期以降の子供は嫌がるかもしれません。
「1人でゆっくり着替えたい」「下着を出し入れするのを見られたくない」と言った理由で子供が使わなくなる可能性も考えられます。
ファミリークローゼットをあまりにも大きく取りすぎて、各部屋の収納場所が確保できないと本末転倒です。
ファミリークローゼットの広さはどのくらい必要?
「家族全員分の衣類などを収納」となると、どんな広さか不安になる…という声も多数寄せられます。
定番の広さを中心に解説していきます。
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最小でも3帖は確保を
3~4人家族の場合、ファミリークローゼットのスペースは最小でも3帖は必要です。
低い位置の引き出しを開けても壁にぶつかることがないよう、通路幅は90cmを目安に確保しましょう。
ファミクロの中で着替えもするなら4帖以上
部屋の両側にクローゼット棚を配置し、部屋の中で最低2人は着替えられる広さにするとします。
その場合、ファミリークローゼットは4~5帖にすることをおすすめします。
通路スペースは幅100cm以上確保すれば、着替えている家族の後ろを通っても邪魔になりません。
ファミリークローゼットの棚板・パイプの高さや奥行きは?
実際に、ファミリークローゼットの内部はどんな寸法で計画すれば良いのでしょうか。
目安となる数値を紹介します。
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棚板の幅・奥行き・高さは?
ファミリークローゼットの棚板の使い方は2通りあります。
床から天井までの棚と、ハンガーパイプ上に設ける棚ですが、まずは共通する寸法の目安を挙げておきます。
- 幅:180㎝以上
- 奥行き:50㎝以上
- 高さ:最上段180㎝
床から天井までの棚の場合、壁に可動式の棚を造り付けして高さを変えられる仕様がおすすめです。
また、畳んだ衣類もしまうなら棚下に引き出しを置くことも考慮しましょう。
ハンガーパイプ上の場合は、丈の長いコートやワンピースが架けられる高さとして約170cmを目安にしましょう。
ハンガーパイプの奥行き・高さは?
ハンガーパイプの寸法の目安は以下の通りです。
- 奥行き:60㎝
- 高さ:大人用160㎝・子供用100㎝
ハンガーパイプのうち一部を2段にして、下段を子供用、上段を大人のトップス用とすると効率的です。
ファミリークローゼットで後悔しないための注意点は?
メリット・デメリットをふまえ、「後悔しないファミリークローゼット」を作るための注意点を紹介します。
実際の生活イメージと照らし合わせながら確認してください。
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他の部屋との兼用を検討する
家全体の床面積に余裕が無い場合は、ファミリークローゼットを他の部屋と兼用すると良いでしょう。
家事動線が近い家事室やランドリールーム、リビング収納との兼用が人気です。
扉を引き戸にする
ファミリークローゼットの扉は引戸が基本です。
両手に衣服を抱えて移動することを考えると、スライドで開閉できる扉は必須条件になります。
また、引戸は開き戸に比べて空気が出入りしやすいため、換気機能も高まります。
換気・通風で湿気を防ぐ
衣服のカビや虫害を防ぐためにも、ファミリークローゼットに湿気は大敵です。
小さな窓を設けたり換気扇をつけたりして、換気や通風がしっかりできるようにしましょう。
サーキュレーターのためにコンセントを設置するのもいいと思います。
ファミリークローゼットを成功させるポイントは?
ファミリークローゼットを将来にわたって便利に使うために、成功させるポイントをまとめました。
必ず間取りを決める前に確認しましょう。
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家族の洋服の収納量を把握する
ファミリークローゼットの適切な大きさは、家族構成や生活スタイルによって大きく異なります。
間取りを作る前に、まずは家族全員分の服の収納量を把握します。
現在住んでいるところのクローゼットやタンスの寸法を測って設計者に伝えると良いでしょう。
また将来家族が増えたり、その成長と共に洋服の種類や数も増えることが予想されます。
現在の収納量より余裕を持たせて計画しましょう。
姿見の鏡が有れば便利
ファミクロの中で着替える間取りにする場合には、ぜひ姿見の鏡を検討してください。
着替えたその場で全身チェックができて、無駄な動線も生まれずとても便利です。
またよく見えるように照明にも工夫が必要です。
物干しやアイロンのスペースと近くする
洗濯→干す→取り込む→アイロン・たたむが一本の動線上で完結すれば、本当に家事が楽になります。
ファミリークローゼットは物干しやアイロン等のスペース(ランドリールーム)と近くして、洗濯関係の動線を1本に集約しましょう。
家族で支度時間が重なるならウォークスルーにする
朝の身支度の時間帯が家族で重なるなら、ファミリークローゼットは通り抜けられるウォークスルータイプにしましょう。
ファミリークローゼットを通り道にして回遊できる動線を作れば、朝の忙しい時間帯でも家族の渋滞が発生しません。
ファミリークローゼットのおすすめの間取りは?
ファミリークローゼットのある間取りで、特に人気のある配置を紹介します。
生活スタイルに合った間取りを見つけてください。
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玄関付近(土間収納)
玄関に直結した土間収納に連続して、ファミリークローゼットを配置する間取りです。
家族の服だけでなく靴や雨具など身に付けるものは全て近くに収納できるため、整理整頓がとてもしやすくなります。
家事室・ランドリールーム横
家事の時間を最短にしたいなら、家事室・ランドリールーム近くのファミリークローゼットがおすすめです。
アイロンがけを含め、洗濯に関わる全ての家事がまとめて済ませられる間取りです。
外干し派なら物干し場も近くに配置すると家事が時短になります。
リビングの横
家族が集まるリビングにファミリークローゼットを隣接させる間取りです。
上着やカバンなどリビングで散らかりがちですが、近くに収納があることで各自で片付ける習慣が身に付きやすくなります。
子供の持ち物や書類を収納するリビングクローゼットとの兼用もできて大変便利に使えます。
寝室・子供室の近く
寝室や子供室近くにファミリークローゼットのある配置は、プライバシーが適度に守れる人気の間取りです。
各自の部屋で着替えることができるため、子供が思春期になっても使い続けられます。
ファミリークローゼットが2階に来る分、1階のLDKが広く確保できるのも人気の理由です。
まとめ:ファミリークローゼットのメリット・デメリット おすすめの間取りを解説
「ファミリークローゼット」のある間取りについて解説しました。
ファミリークローゼットは、検討している人も非常に多いと思います。
衣類の収納場所がまとまることで家事が楽になるなどのメリットがたくさんあります。
しかし、ファミリークローゼットを採用するにはそれなりのスペースが必要などというデメリットも当然あります。
ぜひ本記事で紹介したポイントをしっかり押さえて、永く愛用できる間取りを計画してください。
他にも人気の間取りについてはこちらで解説しています。
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