最近流行りの土間収納ですが、失敗するともったいない空間になります。
大きな家であれば問題ありませんんが、家の広さはギリギリの人が多いはず…
もったいない空間にしないためにも、土間収納を作る上での注意点や
土間収納を成功させることが出来る間取りの例を紹介していきます。
おしゃれな家を作る上で欠かせないのは、土間収納です。
しかし、土間収納は失敗すれば無駄な空間になってしまいます。
無駄な空間にならないために大事な事を紹介していきますので是非参考にして下さい。
土間収納とは?どんな魅力があるの?
土間収納とは、土足のまま入れる玄関からひと続きになった収納空間のこと。
昔ながらの住宅であれば玄関に置いていた靴や傘、ベビーカーといった外で使う物を
収納専用の空間にまとめることができます。
玄関まわりの生活感を無くし、物を置かない美しい空間に保つことが出来ることから
最近の注文住宅で特に人気が高まっている間取りです。
そんな土間収納のメリット・デメリットを確認して下さい。
土間収納のメリット
土間収納のメリットは大きく3つです。
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それぞれのメリットを解説していきます。
キズがつきにくく丈夫
床は土足で入れる仕上となっているため、汚れや水に強いという特徴があります。
丈夫なので、ベビーカーなど車輪の付いたものや重いものを置いても跡が気になりません。
盗難がなく安全
屋外に置いて盗まれては困るものでも、土間収納なら安全に保管することができます。
特に、高価な趣味の道具などを持っている方には積極的に検討することをおすすめします。
- 自転車
- バイク
- ベビーカー
- 車椅子
- ゴルフバッグ
- スノーボード用品
- アウトドア用品
掃除が簡単
土間収納は泥のついたものを室内に持ち込まずに済みます。
雨の日は雨具や上着を干すスペースとしても使えるからです。
仮に土間収納が汚れてしまった場合
- ホウキで掃く
- 水を流す
掃除の簡単さが魅力のひとつ
家の中を常にきれいな状態に保てるのは、土間収納ならではのメリットです。
土間収納のデメリット
土間収納のデメリットは大きく2つです。
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それぞれのデメリットを解説していきます。
広さが必要
土間収納を便利に使えるようにするためには、通路を含めた十分な広さが必要です。
つまり、家の広さをある程度確保できないと難しい。
狭小住宅などには向かない
土間収納を作ったために、リビングなどのメイン空間の面積を小さくしては意味がありません。
適切な広さを土間収納として作らなければ使い勝手も悪くなります。
コストが必要
そして当然ながら、土間収納を広くした分建築コストも上乗せされることになります。
家を高くする一番の要因は広さを広げること
土間収納のために家を1坪大きくするとなると、
何十万単位で費用がかかる面で言えばデメリットと言えます。
土間収納を作る上での注意点
以上のメリット・デメリットをふまえ、土間収納を作る上での注意点をまとめます。
配置するスペースや広さに制約が出やすい空間だからこそ、
ポイントを押えて使いやすいものを計画しましょう。
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光と風をきちんと通す
玄関は、一般的には明るい照明を付けたり、防犯的にも大きな窓を設けたりする空間ではありません。
したがって玄関につながる土間収納は薄暗く湿気のこもる空間となりがちなのです。
土間収納には窓や換気扇を設け、光や風が通るようにしましょう。
土間収納に窓はおすすめしない
- 壁の収納量(収納スペース)が減る
- ガラスから入る光(紫外線)によって靴などの収納物が劣化しやすくなる
「使える」大きさの棚を設ける
土間収納に設ける棚の大きさは大事です。
靴を置く棚:奥行40cmほどの棚にすると整理整頓しやすい
棚の高さについては可動式とすることをおすすめ
また、コートなどを掛けるハンガーポールを設置するなら奥行60cm前後を目安とします。
ハンガーポールの上下の空きスペースにも奥行60cmほどの棚を設ければ
大きめのバッグやアウトドア用品なども収納できます。
土間収納を作る上で大事なポイント
失敗しない上で大事なポイントをまとめています。
この部分が非常に大事なので確認して下さい。
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「ちょうどいい広さ」にする
家族の靴の量や持ち物の内容にもよりますが、
土間収納は3畳あればベビーカーや雨具、アウトドア・スポーツ用品の収納が可能
逆に最小限の収納量で十分な場合には、1畳程度でも良いでしょう。
いずれにしても土間収納をスッキリとした動線で使うには、
収納スペースの他に通路用のスペースが必須となります。
収納前をストレスなく通過できるよう、最低でも通路幅70cm以上は確保する
「靴以外に置きたいもの」をノートに書く
土間収納の本来の目的は「必要な物を、適切な場所に収納すること」。
広めに設けられるのがベストですが、敷地や家の広さ、予算は必ずついて回ります。
家づくり初期の段階で「靴以外に置きたいもの」を挙げて、設計者に伝えておく(広さを決める)
このとき、今自分達が持っているもの・近々購入するものをベースに考えることが大切です。
少なめに見積もってしまうと、日々の生活の中で結局玄関に物が置かれていきます。
逆に「将来置くかもしれない…」と多く見積もり過ぎて空間が余ると、
場所やコストの無駄になってしまいます。
玄関からの目隠し対策
特に土間収納があまり広く取れない場合、玄関から収納物が見えないよう
扉やロールスクリーンなどで目隠しすることをおすすめします。
扉で隠す場合
- 開き戸ではなく引き戸にする(スペースを有効活用するため)
- 引き戸よりも引き込み戸がおすすめ(スペースが最大限有効活用される)
コストを抑えたい場合には、ロールスクリーンがおすすめです。
シンプルなデザインを選べば見た目にも圧迫感がなく、玄関からの通風も収納内に届いて衛生的です。
土間収納の間取りでおすすめ4選
土間収納を取り入れた間取りには、様々なパターンが考えられます。
家族構成や普段の家事や身支度、趣味などを具体的にイメージし
自分達に合った間取りを考えていきましょう。
ウォークスルー+パントリー
玄関からパントリーまでを繋ぐ位置に土間収納・ウォークスルーを設ける間取りが
最近は特に人気があります。
買い物から帰宅した際に土間収納から直接パントリーに入れる間取りとすれば
両手がふさがっていても、まずは冷蔵庫や食品庫の前に買い物袋を置くことができます。
車移動の方は駐車場と玄関を近い位置に計画すれば、雨の日や大量の買い出しの際にも動線がスムーズです。
ただし土間収納とパントリーを隣接させる場合には、換気対策は必須
- パントリーの出入口に引戸を設ける
- 土間収納に換気扇を設ける
靴類と食材が隣接する間取りとなるため、土間収納の臭気がパントリーに入らないよう十分に考慮してください。
ウォークスルー+洗面・脱衣室
小さな子どものいる家族に好まれているのは、
土間収納から洗面・脱衣室にそのままアプローチできる間取りです。
帰宅後→手洗い(うがいを子どもに習慣づけが可能)→そのまま脱衣室・浴室に直行→着替えやシャワー、洗濯もスムーズな間取りとなる。
土間収納と洗面・脱衣室が一続きになった間取りは、
仕事や趣味で汗をかく方やペットのいる家族にも積極的におすすめしています。
ウォークスルー+ミニクローゼット
コートやカバンはついリビングに置きっぱなし、という状況になっていませんか?
出掛ける前後に必ず通る土間収納にミニクローゼットを組み込むことで
リビングが散らからず、身支度や家事の動線も効率良くまとまる。
また、レインコートやキャリーバッグなど雨や汚れの付いたものも気にせず家の中に持ち込めるのも、
ミニクローゼットのある土間収納の便利な点です。
ハンガーポールの高さは大人用と子ども用の2段にすると、
子どもも自分で支度をする習慣が身に付きます。
ハンガーパイプの高さ:大人用(上段)160㎝程度・子供用(下段)100㎝程度が基準
ハンガーパイプを設置する場合の奥行:60㎝程度
ウォークスルー内には、全身が写る鏡も忘れずに計画しましょう。
ウッドデッキ/庭直結型
ウッドデッキや庭でバーベキューや家庭菜園を計画しているなら、土間収納との動線計画が欠かせません。
BBQコンロや炭などのアウトドア用品を土間収納から出し入れできるようにすれば準備や片付けも家族や友人との団らんの一部となり、共同作業による絆も深めることができる。
土間収納をガレージと兼用とすればキャンプ等外出時の積み込みにも便利で、
車やグッズのメンテナンスができる趣味の空間としても楽しめます。
まとめ:土間収納を失敗しないための注意点と成功させる間取り4選
土間収納を失敗しないための注意点と、成功させる間取りについてご紹介しました。
実際にウォークスルーの土間収納を設けた家族からの感想でも、
「毎日の家事や身支度などは楽になり、特別な日のアウトドアなどの時間はさらに豊かになった」
という意見が多数でした。
土間収納は家族の数だけ適切な配置の仕方(場所)がある。
一番大事な事は帰宅後の動線のシミュレーション。
各家庭の生活リズムは異なるため、正解はありません。
車の使用や職業・趣味、子どもの有無や年齢・性別などによって、生活の動線は大きく変ります。
帰ってきてどうするか?を考えながら、自分達に合った土間収納を設計者と相談して計画しましょう。
今の流行りの間取りについてはこちらでも解説しています。
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