近年、2階リビングを採用した間取りは人気で、その数も増加傾向にあります。
また、2階リビングを採用した多くの人がとても満足しているという声があります。
とは言え、検討している段階では
- 本当に使いこなせる?
- 使い勝手はどうなの?
- 他の部屋はどう配置するの?
- 老後が心配…
という疑問や不安の声も寄せられます。
そこで本記事では2階リビングの間取りについて、専門家の立場から解説します。
- 2階リビングを採用する時に考えるべきポイント
- 2階リビングのメリット・デメリット
- 老後の対策は?
- 2階リビングでおすすめの間取り
これらの内容を解説していきます。
本記事を読むことで、後悔しない2階リビングの間取りが作ることができます。
ぜひ一通り確認してください。
2階リビングを採用する時に絶対考えるべきポイント
「2階リビングが良いな…」と思ったら、絶対考えて欲しいポイントがあります。
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以上のことを詳しく解説していきます。
敷地条件と2階リビングの間取りが合っているか
建築する敷地によっては、2階リビングの良さが活かしにくい条件もあります。
例えば敷地内に広めの庭が作れそうな場合、リビングを1階にして庭と一体的に使った方がやはり快適です。
また、隣との高低差がある土地やすぐ近くにマンションなどがあれば2階リビングなのに隣から丸見え…なんてことも。
2階リビングのメリットが活かせるのか、土地の条件もふまえて検討しましょう。
2階から景色を楽しめる環境であり、住宅密集地や土地が狭いなどの場合は2階リビングが敷地条件的に合っていると言えます。
自然な生活動線が作れるか
定番とされているのは、1階にリビングや水回りがあり2階に寝室や子供室という間取りです。
2階にリビングを配置する場合には、水回りや寝室、子供室への生活動線を新たに考える必要があります。
自分達の生活に合った自然な動線が作れるかを考えましょう。
構造面は問題ないか
1階に個室が多く2階に広いリビングが来る間取りでは、1階の柱の方が多くなるため構造上有利になります。
ただしリビングにピアノなど重く大きな物を置きたい場合は、構造面でも検討が必要です。
構造のための調整は、2階の床仕様や1階の柱・壁の位置、搬入ルートの確保など間取りやコストにも関わってきます。
間取りを決める段階で、必ず設計者に相談しましょう。
2階リビングのメリット
2階リビングのメリットを具体的に紹介します。
間取りを考える上での心配事は、2階リビングで解決できる場合があります。
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眺めが良い
1階よりも高い位置にある2階リビングは、空も近くなり眺めが良くなります。
窓を開けた時の開放感も格別でしょう。
周りが自然豊かな土地であればあったり高台であれば2階リビングは、最高の眺めになるでしょう。
住宅街でも日当たりが良い
住宅が密集している敷地でも、2階をリビングにすれば日当たりが良くなります。
リビングに天窓や高窓を設けたり、天井自体も高くしたりすることで明るく開放的なリビングが作れます。
プライバシーが守れる
1階にリビングを配置する場合、全面道路からの視線が入らないよう細心の注意が必要です。
また、涼しい時期に窓を開け放っていると、通行人などに会話が聞こえてしまう可能性もあります。
2階をリビングにすることでこれらの心配は減り、プライバシーを確保しやすくなります。
視線を気にせずカーテンを開けて過ごせるのは、大変快適に感じると思います。
2階リビングのデメリットとその対策
2階リビングにはデメリットもあります。
具体的な内容を、それぞれ対策付きで解説します。
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階段の上り下りが負担になる
リビングへの行き来で毎回階段の上り下りがあると大変負担に感じます。
子供が小さい時は、重い買い物袋と子供を抱えて階段を行ったり来たりということにもなりかねません。
来客時の出迎えも、玄関のある1階に降りなければならないので時間もかかります。
また、年を取ってからの階段の移動はさらに億劫になる可能性があります。
対策:階段スペースを広く取り、1段の高さを低くする
階段の段差をなるべく低くすれば、上り下りの負担は軽減されます。
1段の高さを低くするには段数を増やす必要がありますので、階段のスペースを広く確保しましょう。
対策:上り口と下り口の位置を家事動線に合わせる
買い物袋を持ってキッチンへ上がる動線が極力短くなるよう工夫します。
玄関から階段、階段からLDKを近くに配置すると便利です。
夏は熱がこもりやすく暑くなりやすい
上部が屋根と太陽になる2階リビングは、夏場には暑くなりやすい条件です。
窓からの日射も1階より多く入ってきますので、それなりの対策が必要です。
クーラーが効きにくいというデメリットがあるでしょう。
対策:家の断熱性能を高める
屋根や外壁の断熱性能を高い仕様にしてもらいましょう。
また、サッシは樹脂複合サッシを採用すればより断熱性能が高まり、光熱費の削減にもなります。
家族のコミュニケーションが取りにくい
2階をリビング、1階に個室を配置した場合、帰宅してそのまま自室に入ることができます。
必然的に家族が自然とリビングに集まるような環境が作りにくくなります。
家族のコミュニケーション不足への対策が必要となります。
対策:子供が必ずリビングを通る間取りにする
2階にスタディコーナーを計画したり子供室を2階に配置したりと、子供が必ずリビングを通って生活する動線を作りましょう。
毎日自然とコミュニケーションが生まれる環境を作ることができます。
大型家電や家具の搬入が大変
冷蔵庫やソファなど、大型の家電や家具の搬入には階段を使う必要があります。
階段の幅が狭かったり途中に曲がり角があったりすると、購入した家電や家具が搬入できないこともあり要注意です。
搬入できたとしても、バルコニーや2階の大型窓からクレーンで搬入という大がかりな事態になるかもしれません。
対策:階段や廊下の幅を広くする
おおよその家電・家具のサイズをピックアップした上で、2階リビングへの搬入経路となる階段や廊下の幅を広く確保します。
曲がり角で家電・家具が回転できるスペースも含めて、設計者にあらかじめ相談しましょう。
2階リビングって老後は大丈夫?対策は?
2階にリビングの心配事で必ず挙がるのが老後の心配です。
もちろんシニア世代の体力などは個人差があり、必ずしも階段の上り下りが辛いということではありません。
どの世代においても、階段は転倒した時の大怪我のリスクは高くなります。
しかし、転倒のリスクは年齢とともにどうしても増加しますので何らかの対策が必要になるでしょう。
その対策を具体的に説明していきます。
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ゆるやかな階段にしておく
階段の段差を低めにし、1段1段を広めに確保します。
例えばバリアフリー法で規定された階段の寸法は、段差16cm以下・1段(踏面)の奥行30cm以上とされています。
住宅にバリアフリー法は課されていませんが、これに近い寸法にするとゆるやかで上り下りのしやすい階段になります。
なお、階段まわりには手すりも必ず設置しましょう。
ホームエレベーターを検討する
20代30代の世代では考えにくいことではありますが、40代50代であれば近い将来階段が辛くなることは考えられます。
その際はホームエレベーターを検討しましょう。
将来親世代と同居する可能性がある方も検討の余地があります。
1~2人乗りのコンパクトなサイズも出ていますので、気になる方は設計者に相談してみましょう。
1階に将来リビングを配置できるような間取りにする
ゲストルームや和室など、将来リビングにできるような部屋を1階に作っておくと安心です。
その場合には水回りなども1階すると良いでしょう。
将来ワンフロアで生活が完結するようにしておくと安心です。
2階リビングを採用した時のおすすめの間取りは?
2階リビングだと、他の部屋をどこに配置するか迷う方も多いです。
ここではその際のおすすめの間取りを紹介します。
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スタディルーム、キッズスペース
リビング学習が定番化してきていますので、2階リビングにもスタディルームやキッズスペースがある間取りが人気です。
子供が小さいうちは目の届くキッズスペース、大きくなったらスタディコーナーとして使うことができます。
また、引き戸などで仕切りをつけると個室としても使えるので便利です。
浴室洗面、ランドリールーム
2階リビングにの近くに浴室洗面やランドリールームなど水まわりを配置する間取りです。
やはり、普段使うリビングから近い位置に水回りがあると家事動線が短くなり便利です。
また料理と併行して家事をすることの多い人にはとても人気の間取りです。
勾配天井・高天井
2階リビングの天井を屋根裏まで広げ、勾配天井や高天井を作った間取りです。
そうすると建物の高さは変えずに、リビングに開放感が出せます。
2階建て住宅の2階リビングのメリットを存分に活かせます。
ロフト
天井の高い勾配天井や高天井を活用して、リビングの一部にロフトを付けた間取りです。
高さを利用して、1階リビングではできない素敵な空間を演出できます。
また、3階建てのような広さを感じることもできるでしょう。
広いバルコニー
2階リビングとひと続きになった広いバルコニーのある間取りです。
カーテンを開けるとバルコニーとリビングに一体感があり、リビングがさらに広く感じるでしょう。
晴れた日はバルコニーで食事をするのも素敵です。
まとめ:2階リビングってどうなの?メリット・デメリットとおすすめの間取りを解説
「やってよかった!」という声の多い2階リビングの間取りについて解説しました。
「LDKは1階」と決めてしまわず、2階リビングを選択肢に入れるだけで間取りの自由度は格段に上がります。
また、老後の対策などをあらかじめ考えておくと心配事も減り取り入れやすい間取りとなります。
本記事を参考に、自分達の暮らしに合った間取りを見つけてください。
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