注文住宅を検討し始めたとき「よくわからないから、とりあえず住宅展示場に行ってみるか」と多くの人が考えます。
とはいえ、
- 現実離れしていて、行っても参考にならない
- 一度行ってみたけど、長々と営業されただけで疲れ果ててしまった
といった不安を感じている方も多いのではないでしょうか
住宅展示場に行くことには、デメリットも確かにあります。
しかしそれは、住宅展示場の正しい使い方を知らないからなのです。
この記事の具体的内容は以下の通りです。
- 住宅展示場へ行くことのデメリットは?
- 住宅展示場へ行く前に知っておきたい注意点は?
- 住宅展示場へ行く前に準備すべきことは?
- 住宅展示場で見るべきポイントは?
- 住宅展示場で聞くべきことは?
- 住宅展示場についてのよくある質問
このような内容について解説していきます
また記事の後半では、住宅展示場についてのよくある質問にも回答していきます。
いきなり住宅展示場に行って時間を無駄にすることのないようにしましょう。
あなたが理想とする家づくりに、きっと役立つはずです。
住宅関連会社の勤務経験があり、住宅展示場に何度も通って理想のマイホームを建てた筆者が解説します。
住宅展示場へ行くことのデメリットは?
注文住宅を検討しているのであれば、住宅展示場は間違いなく見学しておくべき場所です。
とはいえ、住宅展示場へ行くことのデメリットは確かにあります。
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以上のデメリットについて解説していきます。
間取りが参考にならない
住宅展示場の間取りは、基本的に参考になりません。
というのも、展示場は住むための設計になっていないからです。
展示場の目的は、人を集めて自社の家がいいものだとアピールすることです。
こじんまりとしていては良い印象を与えられないため、必然的に豪華でグレードの高い仕様の家になります。
また一度に沢山のお客さんが来てもいいように、部屋や廊下もかなりの広さをとっていることがほとんどです。
一般的な家として考えると、大きくかけ離れている仕様になっています。
必要以上の設備が欲しくなってしまう
「自分が本当に必要なもの」以上のものがほしくなってしまうデメリットがあります。
家に限らずですが、実物を見ると人は欲が出てきてしまうものです。
例えばお店で腕時計や車などを見ていると、どうしても上質で高級なものを欲しくなってしまいますよね?
家も同じです。
展示場は、どの会社も工夫を凝らしてステキな空間に仕上げています。
そんなステキな空間を体験すれば、「自分が本当に必要なもの」以上のものまで欲しくなってしまうことも十分あり得ます。
一棟一棟うまく回らないと時間がかかる
どのように見学するか考えて、効率よく回らないと時間が掛かりすぎてしまいます。
展示場をじっくり見学すれば、1棟あたり1時間以上かかることもあるからです。
効率の悪い回り方は、例えば次のようなものです。
- 住宅展示場に着いたら適当に歩いて、なんとなく良さそうなところに入る
- 展示場で営業が付きっきりで一から説明を受ける(自社のPRを延々と聞かされる)
- 二軒目、三軒目でも同じような説明を受ける
無計画で行ってしまうと、このような効率の悪い回り方をして時間を無駄にしてしまいがちです。
住宅展示場へ行く前に知っておきたい注意点は?
住宅展示場へ行く前に知っておきたい注意点について解説します。
展示場に行く前にしっかりと押さえておきましょう。
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以上の点を解説していきます。
予備知識なしでは行かない
何の予備知識もなく展示場に行くのは、やめておきましょう。
住宅会社が展示場をつくる目的は、自社の家をアピールすることです。
何の知識もない状態で行くと、営業マンのトークに乗せられる危険性が高まります。
例えば、「うちはどこよりも地震に強いです」とか「完全自由設計なのでどんな間取りも可能です」
と言われた時に少しでも予備知識があれば、それを鵜呑みにすることはないでしょう。
- 構造や工法、またその特徴
- 耐震や免震、気密性や遮音性
- 家づくりのざっくりとした流れ
- 気になる住宅会社の得意分野 など
事前に何の勉強も準備もせずに、「とりあえず行ってみる」「勉強のために行ってみる」というのは避けるべきです。
安易にアンケートは書かない
展示場に入ると、必ずアンケートを求められます。
ですが、安易にアンケートを書いてしまうのは危険です。
なぜなら、アンケートを書いたときに案内をした営業マンがあなたの担当営業になる可能性が高いからです。
- 展示場を見学する前にアンケートを求められた時
- 住宅会社は気に入ったが、案内してくれた営業がイマイチだった時
- 住宅会社そのものが気に入らなかった時
こんな場合、アンケートは書かなくてもOKです。
アンケートは、この営業なら家づくりのパートナーとして任せられると思えた場合にのみ書くといいでしょう。
子連れの場合、子供から目を離さない
小さな子供と一緒に展示場に行く場合は、子供から目を離さないように気を付けましょう。
展示場を汚したり傷つけたりしてトラブルになるケースもあります。
展示場は、子供にとっても魅力的ではしゃぎたくなる場所です。
「走らないよ」「ベッドには乗らないよ」などと、展示場に入る前に約束しておくといいですね。
キッズスペースがある場合があるので有効活用しましょう。
ただし、遊ばせているとついつい長居してしまうので注意しましょう。
住宅展示場へ行く前に準備すべきことは?
住宅展示場に行くことが決まったら、事前準備をしましょう。
行く前に準備することについて解説していきます。
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これらのことを事前に考えておくことで、スムーズに住宅展示場の見学ができます。
家族にとってどんな住まいが良いかを考えておく
まず最初に考えることは、家族ひとりひとりがどんな暮らしをしたいのかということです。
家族が考える理想の暮らしをイメージしないで展示場を見学すると、その素敵な空間にあれもこれもとみんな良く見えてきてしまうからです。
大事なのは、どの住宅会社の展示場の見栄えの良さや格好良さではありません。
どの住宅会社なら「あなたや家族の理想の暮らし」を実現できるかを第一に考えます。
そのためには、どんな暮らしが理想なのかを考えておく必要があります。
- 家のどこにいても家族の気配を感じたい
- 読書したり映画を見る落ち着いた空間が欲しい
- 子どもが元気に走り回れる広いリビングが良い
- 週末に家族と庭でバーベキューをしたい など
どのようにしたいかは家族構成などでも変わってきます。
どんな住まいが理想か、どんな暮らしがしたいかをなるべく具体的に考えてみましょう。
見学する住宅会社をある程度絞っておく
理想の暮らしのイメージができたら、次に見学する住宅会社を決めておきましょう。
展示場に行ってからなんとなくで見学するところを決めると、確実に時間をムダにしてしまうからです。
1棟あたり1時間とすると、1日に回れるのは3社くらいになります。
事前に資料請求したり各社のHPを見たりして、決めるといいでしょう。
以下のような基準で3〜4社選び、気になるところから見学するのがおススメです。
- 外観や内装のイメージが好みに合っている
- 事前に考えていた理想の暮らしが実現できそう
住宅展示場に行く目的を決めておく
見学する展示場が決まったら、行く目的も決めておくといいでしょう。
ただ漠然と見学しても、「色々な話を聞かされて結局よくわからなかった」ということになりかねません。
- 家の構造について勉強したい
- どのくらいの価格でどのくらいの家が建つか知りたい
- 自分が住みたいエリアで建築可能か確かめたい
- 各社の家全体の雰囲気や営業マンの話しやすさを比較しに行く
このように何かしらの目的を持って行くと、展示場で見るべきポイントがわかってきます。
住宅展示場で見るべきポイントは?
住宅展示場で見るべきことは、「HPなどではわからないこと」や「実物を見て体感すること」です。
では、その見るべきポイントを解説していきます。
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家全体の雰囲気
家全体の雰囲気は、実際に中に入って見てみないとわかりません。
- 木がふんだんに使われていて落ち着くな
- スタイリッシュでおしゃれだな
このように、どんな雰囲気の家が好きか考えながら見てみてください。
どの住宅会社でも、外観や内装インテリアのスタイルはある程度は自由が効きます。
- モダン
- ナチュラル
- カントリー
- 洋風
- 和風
- 北欧風 など
ですが、「その会社独自の雰囲気」は必ずあるものです。
そもそもの家の雰囲気があなたの好みに合っていない場合、満足のいく家にするのは難しいでしょう。
家全体の雰囲気があなたの好みと合致しているか、チェックしてみてください。
その会社独自の売り(強み)
その会社が売り(強み)にしていることは、展示場で見ておきましょう。
それぞれの会社で得意分野は異なります。
得意分野や強みはHPなどを見ればすぐにわかるでしょう。
しかし情報として知っているのと、実物を体感するのでは理解度がまったく違ってきます。
例えば高気密高断熱を強みとしている場合、次のことを確認すると良いでしょう。
- 展示場内が快適な室温になっているか
- その展示場はいくつエアコンを使っているのか
- 実際に建築した家で、何台エアコンをつけることが多いのか
展示場の各部屋にエアコンが付いていたら、いくら高気密高断熱をうたっていても信ぴょう性に欠けます。
その会社の強みを、あなた自身の感覚で確かめてみてください。
その会社の家づくりに対する考え
展示場を見学したり営業マンの話を聞いたりしていると、その会社が「家づくりの中で何を大切にしているか」が段々わかってきます。
- メンテナンスを丁寧にしつつ経年変化を楽しむ家
- メンテナンスフリーでとにかく手間がかからない家 など
その考えは会社によって様々です。
会社の家づくりに対する考えとあなたの考えがズレていると、理想の家づくりを成功させることは難しいです。
展示場ではこの点をしっかりと確認してください。
あなたの家づくりに対する考えに近い住宅会社を選ぶことが、家づくりを成功させる近道になります。
価格や営業マンの提案力と相性
営業マンの提案力と相性は必ずチェックしてください。
家づくりは、担当営業と二人三脚で進めていくからです。
また、どのくらいの価格でどのくらいの家が建つかなど提案力も大事になります。
担当営業と相性が合わないと、家づくり自体が非常にストレスになります。
営業マンの提案力は完成する家の満足度に直結します。
提案力の高い営業マンの特徴は、次のとおりです。
- 要望に対してプロならではの視点でアドバイスをしてくれる
- プランのメリットだけでなくデメリットも伝えてくれる
- 建築費だけでなく住んでからのコストも考えてくれる
以上のように営業マンの提案力と相性は要チェックです。
住宅展示場で聞くべきことは?
住宅展示場で聞くことも考えておくといいでしょう。
基本的には、事前に勉強した基礎知識を基に疑問点を聞けばOKです。
このような具体例を参考に住宅展示場で聞くべきことを考えておきましょう。
他社にはない強みは何か
まず、他社にはないその会社の強み、つまりその会社独自の売りは何か?と聞いてみましょう。
事前に勉強してわかっていても、あえて聞いてみてください。
営業マンの受け答えで、
自社の住宅に本当に自信を持っているのか、の判断材料にできるからです。
また、HPに乗っていないようなことまで聞ければ一層理解も深まるでしょう。
家族の理想の暮らしをどのように実現できるか
あなたや家族が想い描く理想の暮らしを、具体的にどうやって実現できるか聞いてみてください。
この質問で、その会社の技術力や営業マンの提案力を測ることができます。
家の中のどこにいても、子供の様子を見守れる住まいにしたい!
という理想に対して、どんなアイディアを提案してくれるでしょうか。
- 吹き抜けにして間仕切りを少なくするのはどうか
- キッチンを中心に間取りを考えてはどうか
このように、色々なアイディアが出てくるでしょう。
すると、「この会社ではそんなこともできるのか?」
「この営業マンはこんな良いアイディアを出してくれるのか?」という発見ができるかもしれません。
注文住宅に関係するお金のことや土地のこと
注文住宅に関する補助金や税金のこと、住みたい土地のことなどについて質問してみましょう。
家づくりのパートナーとして安心できるのは、お金や土地に関する知識も豊富な営業マンです。
ですが、お金や土地にも詳しい営業マンはそれほど多くはいないかもしれません。
こうした質問に的確に応えられるかどうかは、営業マンの善し悪しを測る判断材料になります。
その営業マンが新人であった場合、疑問や質問に対して答えが出せない場合もあります。
ただ、それをしっかり調べて回答するなど、その後の対応も大事な判断材料になるのです。
住宅展示場についてのよくある質問
ここからは、住宅展示場についてのよくある質問に応えていきます。
突然行っても大丈夫?(アポなし)
予約なしでいきなり行っても、基本的に問題ありません。
予約していくメリットは以下のようなものがあります。
- 聞きたいことを事前に伝えておけば、スムーズに案内してもらえる
- ある程度、経験のある担当者が付く可能性が高くなる
- 予約特典をもらえることがある
また、予約していくデメリットもあります。
- 必ず担当者が付くので、短時間で数社の見学を終わらせたい場合は不向き
- 予約時に個人情報が必要になるので、その時の営業マンが担当になる可能性が高い
このようにメリットデメリットがありますので、一概にどちらが良いとは言えません。
ですが、アポなしで行くこと自体は問題ないです。
一日かけてじっくり話を聞きたい時などは予約してみるのも良いかもしれません。
服装はどんな服装?
動きやすい服装で、靴は脱ぎ履きしやすいような恰好がおすすめです。
展示場内は靴を脱いで上がることが多いです。
脱ぎ履きに時間がかかるブーツなどは避けた方が良いでしょう。
基本的にはどんな服装でもOKですが、あまりにもラフすぎる服装は避けた方が無難でしょう。
あまりにラフすぎる服装だと、良い営業マンが担当してくれない可能性があります。
なぜなら、「この人は見込み客じゃないな」と思われてしまうことがあるからです。
とはいえ「清潔感」と「キチンと感」があれば、それほど気にしなくても大丈夫です。
持って行くものはある?
メモができるもの(筆記用具やノート)と写真が取れるもの(スマホかデジカメ)くらいです。
写真はデジカメがあれば良いですが、スマホでも問題ありません。
その際は、スマホはしっかり充電してから行きましょう。
建てる会社が決まって内装のイメージの参考に展示場を見に行く段階になったら、メジャーもあると便利です。
行くだけでも問題なし?
展示場は行くだけでも問題ありません。
実際イベント目的で来ている人もたくさんいますし、そのことは営業マンもわかっています。
住宅展示場では、子どもが楽しそうなイベントなどがたくさん催されています。
どうしても営業されるのがイヤな場合は、アンケートを書かなければ大丈夫です。
キャンペーン目的でも大丈夫?
展示場では、来場した特典としてQUOカードがもらえたりするキャンペーンがあったりします。
それ目的で行って良いのかと考える人もいるでしょう。
まず建てる気が全くない場合やすでに建築したばかりの場合は、やはりマナー違反なのでやめてきましょう。
「今すぐには建てられないけど、将来的には建てたい」と正直な考えを伝え、そのうえでもらうのならOKです。
見学時間はどのくらい?
見学にかかる時間は、1棟あたり1時間くらいと考えておくといいでしょう。
ただし、説明してもらわず自分たちだけでサッと見るならもっと短くすみます。
逆に、しっかり説明してもらったりじっくり見学しようとすると1時間以上かかることも十分あり得ます。
説明はちゃんとしてもらいたいがなるべく早くすませたい時は
「〇時に次の予定があります」と最初に言っておくと良いでしょう。
やってはいけないマナーはある?
気を付けておきたいマナーは次のとおりです。
- 勝手に写真を撮る
ほとんどの展示場は撮影可能ですが、念のためひと声かけましょう。
- 床や壁、家具を傷つけるような行為
大きな荷物や厚手のコートは持ち込まない方が無難です。
- 飲食
飲み物など用意してくれるところもありますので、飲食は提供された時だけにしましょう。
- 子供から目を離す
上で解説しましたが、走ったりベッドに乗るとトラブルの元になります。
展示場の大きさによっては、他の家族が見学していることもあります。
良識ある行動をして、気持ちよく見学しましょう。
まとめ:住宅展示場へ行くデメリットは?そのポイントと注意点を解説
注文住宅を検討しているのであれば、住宅展示場は間違いなく見学しておくべき場所です。
しかし、住宅展示場に行くことにはデメリットもあります。
具体的には次のようなことです。
- 豪華すぎたり大きすぎたりして、間取りの参考にはならない
- 素敵な空間に魅了され、必要以上のものが欲しくなってしまう
- 事前準備をし効率良く回らないと、時間がかかり過ぎてしまう
こうしたデメリットがあることと「安易にアンケートは書かない」といった注意点を理解していれば、住宅展示場は上手に活用することができます。
また、展示場に行くときには「事前準備」と「聞くべきことの整理」をしておきましょう。
そうすることで、展示場の利用価値が何倍にもあがります。
住宅展示場を上手に活用して、ぜひあなたの理想のマイホームを実現させてください。
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