玄関に手洗いを置く間取りに注目が集まっています。
使い勝手もデザインも良くとても便利ですが、玄関という限られたスペースに置くにはコツが必要です。
失敗すると、かえってデメリットが目立つことにも…。
そこで、玄関に手洗いを置くために大切なことをまとめました。
上手に取り入れて、間取りづくりの参考にして下さい。
玄関に手洗いがあると便利な理由
手洗い・うがいの習慣がすっかり定着した今、住宅でも玄関におしゃれで機能的な手洗いを求める声が増えてきています。
具体的にどのようなところが便利なのか、ご紹介していきます。
家族に手洗いの習慣がつく
「家に帰ったら手洗い・うがい」は、家族の健康を守る習慣として古くから言い伝えられてきました。
玄関に手洗いがあれば
- 小さな子どもでも自然と手を洗う習慣が身に付く
家族全員がつい使いたくなるような印象的なデザインを選ぶと、習慣づけにはさらに効果的です。
来客が来た時に便利
来客をリビングに案内してから「手はどこで洗えばいい?」と聞かれること、ありませんか?
玄関に手洗いがあれば、どんな時でもスマートに手を洗うよう誘導することができます。
玄関から手洗いまでの距離が遠い場合
- 子ども・子供の友達が壁を触って壁紙が汚れる可能性が高い
玄関の手洗いは、お互いの風邪などの感染防止にも効果大です。
洗面グッズなどの生活感を見られない
これまでの住宅では、来客の手洗いは洗面室に案内するのが一般的でした。
ただし、洗面室は歯ブラシなどの家族の洗面グッズを置く場所でもありますよね。
きれいに整理整頓していても、洗面室は生活感を完全に消すことは難しい
玄関に手洗いがあれば、このような生活感を見られる心配もありません。
しかも基本的には手洗い(うがい)だけが目的の空間にななります。
そのため、機能性を重視する洗面室では選べないような冒険的なデザインに挑戦することも可能
泥などを室内に持ち込まない
玄関に手洗いがあれば、外から帰ったその場で手を洗うことができます。
しかも、泥や砂の汚れが室内に持ち込まれないことも玄関の手洗いの大きなメリットです。
- 外遊び
- スポーツをおこなう
- 外仕事(外作業)
気づかないうちに室内に砂が散らばりがちになる
玄関で汚れを洗い落とせる間取りにしておくだけで、リビングなどの室内をきれいに保ちやすくなります。
手洗いのことを気にせず間取りが考えられる
良い間取りを作るには、スムーズな動線が描ける部屋の配置が何よりも大切です。
ここで、日頃の生活動線を思い出してみてください。
- 手を洗いLDK(その他の部屋)へ行く
- 手を洗いクローゼット(洋服を収納する)
- 手を洗い洗面・浴室へ行く
いずれにしても帰ったら手を洗うことは共通の習慣ですよね?
玄関に手洗い空間を設けておけば、玄関から洗面室を通って他の部屋に行く動線を考える必要がありません。
手洗いの場所を気にする事なく自由に間取りを考えることができるのです。
玄関に手洗いは風水的にどうなの?
風水は、もともとは古代中国で始まった環境学です。
風水は「どんな暮らしをすれば、より衛生的で豊かに過ごせるか?」がテーマになっている
そのため極端に特殊なルールはなく、基本的には「誰もが清潔で心地良いと感じる空間」であれば
玄関に手洗いがあっても、風水的にも気にしないでOKです。
ただし注意点がありますので見ていきましょう。
汚れや水濡れの放置はNG
風水では玄関は外からの良い運気を取り入れ、悪い厄を落とす場所と見なされます。
そのため汚れやジメジメとした水気があると、良い運気が家の中へ入る事が出来ず厄も落とせないと言われている。
玄関に設置する手洗いも、汚れや水濡れを放置するのはNGです。
手洗いを置くなら、清潔に保ちやすく換気もこまめにできるよう
間取りを考える段階から工夫する必要がある
「明るく清潔」な素材を選ぶ
玄関の風水では、清潔感あふれる空間であることが大前提です。
手洗いまわりの素材を選ぶときも、明るい色で掃除のしやすい素材を選びましょう。
- 手洗いボウルはツルリとした質感のホワイトや淡いカラーのものがおすすめ
また手洗い周辺の壁材も、水気が飛んでも拭き取りやすいタイルにすれば、デザイン性も一気に上がります。
設置する位置に気をつける
玄関の手洗いを付ける時には鏡をセットで設置するケースがほとんどです。
実は、手洗いよりも鏡の方が風水的にはNGになる可能性がある。
玄関に鏡を設置する場合には、入って正面の位置は避けましょう。
玄関の真正面に鏡があると、風水では外から入った良い運気を跳ね返してしまうことになります。
手洗いと鏡を玄関の側面に設置すれば、風水としても安心
ちなみにどちらの側面に鏡を置くかによっても、風水的には意味が異なります。
玄関を入って右側なら出世や名誉を上げるのに良く、左側なら金運や人間関係に良いとされています。
十分なスペースが確保できないなら「諦める」選択も
ごちゃごちゃとモノが置かれた玄関には、風水上では良い運気が入って来られません。
玄関スペースが少なく手洗いを置くと手狭になってしまうなら、「諦める」のも風水では良い選択肢
思い切ってスッキリとした空間づくりを優先させましょう。
玄関に手洗いのデメリットは何?
玄関に手洗いを置くと、便利なこともありますが、デメリットもあるのは事実です。
デメリットの軽減方法と併せて確認していきましょう。
コストが上がる
玄関に置く水回り設備がひとつ増えるということは、その分のコストが上がるということです。
水道配管から設備本体、水回り用の内装などの予算を確保しておく必要がある
コストを抑える方法
収納や鏡まで一式揃った既製品の手洗いセットでは、どうしても価格も膨らみがちに。
玄関の端に簡単な造作カウンターを設け、小さめの洗面ボウルを置くという方法なら比較的コストが抑えられます。
デザインの自由度も上がるため、こだわってインテリアを考えたい方にもおすすめです。
掃除の手間が増える
水回りの掃除は、小さくても意外に手がかかるもの。
手洗いが1つ多くなれば、その分掃除の手間も増えてしまう
「兼用」の手洗いなら家事が増えない
掃除の手間を増やさずに玄関に手洗いを置きたい場合には、トイレの手洗いとの兼用を検討しましょう。
玄関ホールの近くにトイレを配置し、どちらからも近い位置に手洗いを置けば家事は増えません。
間取りを考える段階で、兼用手洗いにするかどうか検討しておきましょう。
玄関が狭くなる
置くものが増える分、単純に玄関として使える面積は狭くなります。
玄関が広くない場合には、手洗いを置くことで圧迫感が生まれてしまう
土間収納などに「隠す」方法も
玄関をよりスッキリ見せたいなら、土間収納の中に手洗いを収めて見えないようにする方法もあります。
外から帰ってすぐ手が洗えるメリットはそのままに、限られた空間を有効活用することができます。
ただし手洗いを来客も使うようにするなら、土間収納の端に置くなどして収納の中が見られないよう工夫しましょう。
玄関に手洗いが必要ない人の特徴
便利な玄関の手洗いですが、どんな家にも必ず設置するべき、とは言えません。
特に次のような生活スタイルであれば、玄関手洗いは無くても支障は無いでしょう。
タップして移動出来ます
玄関から洗面が近い
例えば玄関から土間収納を通って洗面室に直行できる間取りを計画するなら、玄関手洗いは不要です。
その場合には来客時に備え洗面室の収納を充実させて、生活用品が散らからないよう気を付けよう。
大人だけで暮らす
小さな子どもがいない家庭であれば、外から砂まみれで帰って来る機会もほとんどありませんよね。
大人なので手洗いの習慣も身についており、玄関に手洗いが無くてもそこまで不便ではありません。
来客が少ない
来客が少なくほぼ家族だけが利用する家であれば、玄関に手洗いを置く必要性は低くなります。
家族が帰宅時に忘れずに手を洗えるよう、動線計画に配慮すれば良い
流行りだからと言って必ずしも採用する必要はない
スペースもコストも最小限に抑えたい
省スペースの住宅を計画する場合やとにかくローコストの住宅を建てたい場合にも、
玄関の手洗いは考えなくて良いでしょう。
狭小地の住宅を計画している場合、小さな手洗い1つ分であっても貴重なスペースを削ることになる。
厳しい制約がある場合には、手洗いについても慎重に設計担当と相談しましょう。
玄関に手洗いは後付け出来るの?
「新築の時は設置を諦めて、子どもが走り回る年齢になったら玄関に手洗いを付けたい」
という方は珍しくありません。
また近年は特に、リフォーム・リノベーションで玄関手洗いの後付けを考える方がとても増えています。
玄関手洗いの後付けは、一定の条件が揃っていれば施工が可能です。
タップして移動出来ます
配管工事の条件を満たせば可能
手洗いを後から設置するには、水道配管を引き込める場所であることが前提条件です。
将来的に手洗いを設置したいと考えている場合には、あらかじめ設計者に話しておこう
設置予定の場所まであらかじめ配管を仕込んでおけば、
将来簡単なリフォーム程度で手洗いを設置することができます。
スペースを確保する
玄関先に手洗いを後付けするなら設置スペースの確保は当然必要ですが、
その理由は「そこに置くため」だけではありません。
将来的な後付けを考えている場合には、新築の間取りを考え始める段階で設計者に相談してほしいのです。
- 将来玄関に手洗いが来る場合とそうでない場合とでは、家全体の動線計画も変わってくるから
自分達にとってベストな間取りを作るためにも、計画の初期段階から将来を見越した動線を考えていきましょう。
まとめ:玄関に手洗いがあると便利な理由、デメリットも解説
玄関に手洗いがあると便利な理由をご紹介しました。
家族の健康維持や来客時、清潔面、動線面など、玄関にある手洗いは専門家の目から見てもとても合理的です。
ただし、風水を気にされている方や狭小住宅・ローコスト住宅を計画される場合には、
設計者と相談しながら必要かどうかを丁寧に検討することをおすすめします。
2022年流行りの間取りについてもこちらで解説しています。是非参考にして下さい。
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